2022.06.25
スタッフブログ
ビューティスペシャリスト学部の在校生(以下、メンバーと呼びます)がやって来たのは……東京・北参道に位置するCECIL McBEEのプレスルーム!
通常は、スタイリストさんや編集者など、関係者しか入れない場所です。
今回は、ファッションプレスのお仕事について、安藤有美講師に学びます。
<CECIL McBEE(セシルマクビー)って?>
1990年代から2000年代にかけて、アイコニックなファッションブランドとして人気を獲得。2021年に運営企業が、
ECを含む店舗事業から順次撤退すると発表し、11月に最後の常設店・渋谷109店が閉店を迎えました。
2021年8月に、「MAKE UP YOUR NEW LIFE STYLE」を新コンセプトに掲げ、ブランドが再始動。
公式オンラインストア「ミーコレクト(Mecollect)」にて、アイテムを販売中です。
<1.プレスはどんなお仕事?>
安藤講師「プレスっていうと、サンプルを貸し出したり、PRしたり華やかなイメージが強
いかもしれませんが、それは仕事の一部。今回は、プレスに興味がある皆さんに、お仕事について説明しますね」
業務は大きく……
- ①お貸し出し
- ②展示会の集客
- ③ファッションショーの準備(ショーを実施するブランドのみ)
- ④雑誌へのアプローチ&付録企画
- ⑤掲載誌チェック
- ⑥カタログ制作&チェック
- ⑦インフルエンサーへのギフティング兼PR
などが、挙げられるそう。
安藤講師「私は、株式会社レッセ・パッセ(現在は株式会社ルック レッセ・パッセ事業部)にデザイナーとして入社しました。しかし、
雑誌との連絡役がいないということで、プレスを兼任するように。株式会社ジャパンイマジネーションのCECIL McBEEに転職後、
2016年からフリーランスとして、色んなブランドのプレスをしていて、CECIL McBEE再始動のタイミングから業務委託でプレスのお仕事をしています。」
<2.お貸し出しって?>
安藤講師「お貸し出しは、ファッション雑誌のスタイリストさんだけではありません。ドラマの場合、主役には専属スタイリストさんが付きますが、
他の役は、制作会社の衣装部さんが借りにくるケースが多いです。スタイリストさんも衣装部さんも、たくさんのブランドからアイテムを借りるので、ど
の会社から何を借りたかを明確にしなくてはなりません。プレスは、必ず『リース伝票』と呼ばれる書類を準備します。
書式は、ブランドによってさまざまですが、品番、カラー、上代などが入ることが多いです。CECIL McBEEでは『商品名』も入れています」
また、なかには、20個ほどのアイテムを借りていったにも関わらず、一つも使わずに返却されるという残念なケースもあるそう。
安藤講師「プレスとしては、サンプルを貸すと媒体にクレジット(※ブランド名の表記)を入れてもらえる、という前提でリースをしていますが、
例えば公共放送や、女優さんの舞台挨拶などはクレジットが表示されません。
そうした場合は、上代の30%をリース料として頂戴することもあります」と仕組みを教えます。
<3.「ライセンス」とは?>
安藤講師「ここには、お洋服以外にも、コスメやスマホケースなどのグッズがありますよね?これらは、『ライセンス』アイテムと呼ばれるもの。
コスメやスマホケースは、自社で作っているわけではなくて、別企業が契約を通じてブランドを借り受けて、商品を開発・販売しています。
ブランドを借りる企業様には、ブランドを利用する料金として『ロイヤリティー』を払っていただくんですよ」と、解説。
ハイブランドのロゴが入っている傘、ハンカチ、メガネなどもよく見かけますが、それらも「ライセンス」プロダクトなのだそう。
<3.雑誌の読み方って?>
安藤講師「雑誌を読むときに、パラパラとなんとなく読んでいませんか?それは、もったいないですよ。
まずは、表紙と巻頭ページをチェックしてください。ここには、雑誌がその時にベストだと思うカメラマンさん、スタイリストさん、モデルさんが携わっています。
表紙は、いわば『雑誌の顔』です。『可愛い特集だな』と思ったら、スタッフの名前が記載されている『クレジット』を見るように心がけて。
私は、学生時代に読んでいた雑誌で必ずクレジットをメモするようにしていました。プレスになって、お仕事でスタイリストさんを選ぶことになり、
その人を指名したら、引き受けてくださったんです。お仕事だけでなく、お家にも遊びに行けるくらい仲良くさせていただくようになりました。
業界を目指すなら、そういう視点を持って読むといいと思います」とアドバイス。
メンバー「プレスをやっていて嬉しいときはいつですか?」
安藤講師「雑誌で、付録のコラボレーションのお話をいただいたり、あとはリース伝票に、使ったよ、という〇が付いていたりするときですね。
プレスはミーハーな方が、仕事が楽しいと思います。憧れのモデルさんとプライベートで会えたり、ファッションショーで関われたりします。
私は、社外だけでなく社内の人にも『このブランドで働いていて良かった』と思ってもらえるようなPRを心がけています。
例えば、雑誌の表紙に掲載されたら、サンプルを作ってくださる企業さんや、←トル工場さん、社内の営業やパタンナーさんにも報告しました。
お客様だけでなく、関わる人すべてがブランドを好きになるようなPRができたらいいですね」とメッセージ。
これは、ファッションだけでなく、ビューティブランドのプレスにも通じる考え方でした!
休み時間には、オススメされた読み方で雑誌を読んだり、
記念写真をしたり、プレスルームでの授業を満喫しました!
安藤講師、貴重な機会をありがとうございました!
<INFO>
@cecilmcbee_official
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